私は普段、お店にいる時はほとんど着物を着ています。

着物を着る一番の理由は、着物を着る楽しさを実感し、この楽しさを皆様と共有したいと思うからです。
 

お店に日々入荷する様々な着物や帯・小物は、私なりの目利きにおいて、
良いと思った物のみを、厳選し取り扱っています。

自身でセレクトした物を触っていると、着てみたいと言う気持ちが湧いてきます。
（この気持ちは着物やファッションが好きな方なら皆さんわかっていただけると思いますが。笑）

それらを身につけた時の楽しさを私自身が実感し、お客様と共有しご紹介することが、

呉服店・ファッションに関連する物を販売する者としての、醍醐味であり、喜びだと感じます！

また、自分のお店で販売している物を着用して、実際に着心地や使用感は

どうなのかということを確かめ、自信を持っておすすめできるようにしたいという目的もあります。

そうして日々着物を着ていると、だんだん人と違う、ちょっと特別な物が欲しくなってきます。
 

そんな時に知ったのが、「幅の狭い角帯」の存在です。

この角帯を知ったのは、お客様からのご要望がきっかけで、

取引先の博多織メーカー「西村織物」さんに問い合わせをしたことで詳細を知りました。




【老舗博多織メーカー西村織物さんの工場】 

この「幅の狭い角帯」は、通常の博多織角帯が帯幅約二寸五分（約9cm）に対して、

五分狭い、二寸（約7.5cm）と極端に細く織られた物で、西村織物さんにて織られていました。

噺家さんや歌舞伎役者さん等着物のプロのみが使用している帯で、

一般には流通していないそうです。





【帯幅の比較画像】

【裏面のストライプ】
 

そんな特別な角帯があるのであれば、どうしても欲しい・締めてみたいと思っていたところ、

愛知県の呉服店さん「あづまや」さんにもお客様から同様の問い合わせがあったようで、

それならば共同でオリジナルデザインを西村織物さんに頼んで作ってもらいましょう！

となったのが今回オリジナル角帯制作に至った経緯です。
 

「ナロー角帯」の特徴と締め心地
 

帯が出来上がって実際に締めてみると、まず最初に見た目のスッキリ具合に驚きました！

私はやや大柄で、身長が180cm程度あるのですが、それでも帯が華奢に見えすぎることもなく、

良い塩梅でのスッキリ感です。

逆に、小柄な方が締めても、この独特の帯の細さによって全体のバランスが取りやすいように感じます！

また、細いことで他の帯とは違う物を締めているというのが視覚的に実感しやすく、

その点も満足度が高いです！

【身長約180cmで着用した場合の全体のバランス】

締め味に関しては、通常の博多織と比較して、さらにしっかりとしているという印象を受けると思います。

これは、帯幅が狭いにも拘らず、縦糸の本数は通常の帯幅の物と変わらないためだそうです。

ビジュアルだけでなく、機能面においても優れた帯となっておりますので、

はじめての角帯としても、すでに何本も角帯をお持ちの方にも、全ての男着物ファンの方に

オススメできる一本です！

一生物としてお使いいただける角帯となっておりますので、

皆様に是非一度手にとってみていただきたいです！